中日・落合博満監督が、今期限りで退任することが決まった。メディアは、一斉に解任と報じているが、果たして解任なのか。
契約期間が満了を迎え、来期は白紙で、というのだから、まあ、普通のことにも思えるが。落合監督なら、白紙と持ちかけられたら、「あ、そう」とあっさりと受け入れたと思う。
観客動員減を理由にあげていたが、これも納得がいかない。中日の観客は2005年度228万人、2010年度219万人。10万人足らずで、12球団中、動員数4位はこの数年変わらないのだ。
07年日本一になった後も減り続けたと指摘されているが、それを言うなら、野球人気全体の下降傾向ではないのか。
私の周囲の若者に、プロ野球を楽しむ者はほとんどいなくなった。全部、サッカーに流れている。しかも、A代表マッチか英国・プレミア、伊・セリエAだ。世代が若くなるほど、その傾向が強まる。
戦後の長い人気にあぐらをかいてきた閉鎖的な球団オ-ナーたちの責任である。
観客減を持ち出せば、ほかにも人気監督で解任に相当する人も多い。第一、落合・中日は強くなかったら、もっと観客は減っただろう。
あの成績で文句はいえまい。原因は、むしろコーチ人事などにあるのかもしれない。
今のプロ野球監督のうち、落合監督が戦術的には、ナンバーワンだと思う。勝利のために、余計なことは考えない。メディアサービスはしない。メディアは弱くなったらなったで、うだうだ批判するのだから、相手にしない。無味乾燥な態度だからといって、それはそれでいいと思う。
ただ、私自身、07年日本シリーズ最終戦、完全試合目前の山野井投手を交代させた時点で、こんな夢のない野球は見たくないと感じて、観客減の1人に数えられる存在です。